MKU's View

経営戦略論・組織論を研究しているMKUのブログ。 書評やウェブ上の気になった記事などを載せていきたい。 私自身の思考トレーニングの側面もあるので、まとまりの良さよりも、ちょっとした「引っかかり」を中心に投稿を行っていきたいと思っている。


Tuesday, March 23, 2010

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Wednesday, February 17, 2010

車業界の話から

毎回更新を楽しみにしている小田嶋さんのコラム「ア・ピース・オブ警句」。
少し前のものになるが,ミニバンや車業界の話が取り上げられていた。

「「家族」マーケティングの栄光と落日」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20100122/212372/

この記事もかなり面白い内容だった。
自分はミニバンが好きではない。乗っている人には申し訳ない。小田嶋さんのように,この場でお詫びをしておきたい。しかし,車を選ぶ尺度が全然違うなあと思う。
自分からすると,ミニバンは何より見た目がかっこわるいし,運転しても全然面白くない。3列シートだとか,ゆったり空間だとか,そういうものは機能的だと思うのだが,それはあまり自分にとっては重要ではない。
もちろん自分はペーペーなので,お金の制約はありつつも,運転していて楽しいかどうか,見た目が好きかどうか,という観点から車を選ぶ。だから,自分にとってはミニバンとは理解を超える乗り物のひとつである。

と思っていたら,小田嶋さんのコラムだ。
減税+補助金ばかりが目につくCMに,どこか違和感を感じていたが,要するに安さしか売りがないということだとズバリ指摘されていて,なんだか胸のすく思いである。
よくよく考えれば,スポーツカーは今や高級車ばかり。レクサスのIS-Fなんて800万円もするし,GT-Rなんて言うまでもない。それを買うのは,私よりも随分年上の,そして,僕の世代からは考えられないようないい暮らしをしている(人が多いように見える)オジサンたちだろう。
今や当たり前のようになっているが,若い人たちはそもそもスポーツカーなんて乗れないし,乗らない。当たり前だ。10年前と比べて35歳の平均収入が200万円も下がっている日本ではやむを得ないだろう。見栄を張る余裕すらない,ということだろうか。

でも,ふと思うのだが,そんな収入であっても,もしかしたら,かつては無理をしてでも車を買っていたのではないだろうか。
今の日本で,この安月給では車なんて無理だ,あり得ない,という意見もあるだろう。だけれど,それはもしかしたら,日本で生きることのナラティヴが変容してきたからなのかもしれないとも思う。それを夢がなくなった,と言うこともできるだろうし,だからある意味で,小田嶋さんのコラムはそういう夢への懐古趣味ともとれなくもない。今朝の新聞にも打つ手がない日本経済,ということが書かれていたけれど,今のように閉塞感に包まれている中でも,夢を持つことはできないのだろうか。常々,そんなことを考えている。

などということを考えてしまうコラムだった。

Saturday, December 19, 2009

論文出ます

12月に発行される経営情報学会誌Vol.18特集号「知のコミュニケーション」に拙著の論文

「戦略が創られるとき-戦略論研究の新たなアジェンダに向けて-」

が掲載されます。
よろしければご覧いただき,ご意見,ご感想,ご質問などお寄せいただければ幸いです。

また,入手が困難な方はご連絡ください。
近々また別な論文が出ますので,そのときもご連絡します。
やっと,少しずつ自分の思っていたこと,考えてきたことが論文として形になりつつあるのを感じます。
これからも研究がんばります。

Wednesday, June 03, 2009

記事備忘録

面白い記事があったので,備忘録として。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20090226/187440/?P=1
「1ヶ月休んで精神修養,「体育会系の花屋」を率いるストイックな2枚目社長」
パーク・コーポレーション社長 井上英明氏

会社に対する考え方,感性を磨くという視点など,興味深かった。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20090602/196505/?P=1
「次は「日本車離れ」という懸念:GM破綻は対岸の火事ではない」

思っていたことを文章にしてくれた。

Monday, May 19, 2008

経営学史学会賞を受賞しました

ご報告があります。
第16回経営学史学会にて、拙著論文「戦略論研究の展開と課題-現代戦略論研究への学説史的考察から-」『経営学史学会年報第14輯 経営学の現在-ガバナンス論、組織論、戦略論-』文眞堂が、経営学史学会賞 論文部門(奨励賞)を受賞いたしました。
これからも研究がんばります。

Monday, December 31, 2007

ノーマンのインタビュー記事

技術と実践(practice)の研究をしているノーマンのインタビュー記事。詳細はまた後日書きたい。

http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000055954,20362396,00.htm?tag=nl

Thursday, August 16, 2007

GoogleとSunの提携とその後

GoogleとSunが提携したことが、以前発表された。(http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000056022,20088126,00.htm)

この記事でも述べられているが、Sunの持っているOpenOfficeをベースにしたMS-Office互換のStarOfficeをGoogleが活用していくであろう、とのことだったが、今日新たに、
「 米グーグル、サン製のワープロ・表計算ソフト無償配布」(http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070816AT2M1600U16082007.html)という記事を見つけた。

コンピュータソフトウェア技術の進歩は、90年代を通じては主にOSの分野でWindowsが主導する形で展開された。しかしながら、近年のソフトウェア技術の進歩は、Googleが先導するウェブアプリケーションの進歩という形で現れてきている。その中の一つとして、かつてこのブログでもGoogle Docs and Spreadsheetsを紹介したが、このアプリケーションを何らかの形で進化させるための方法として、StarOfficeの無料配布が行われるのだと考えられる。

考えるまでもなく、マイクロソフトがコンピュータ市場で強い理由は二つであり、一つはプラットフォームとしてのデファクトスタンダードであるWindowsを有していること、もう一つは、オフィススイーツとしてのデファクトスタンダードであるOfficeを有していることの二つである。前者については、リナックスの様々なディストリビューションパッケージが切り崩しの「切り札」などと呼ばれてきたが、全くそのようなことはなかった。
一方、後者についても、MS-Office互換のフリーウェアであるOpenOfficeがそのきっかけになるのではないかと期待されていたが、そのようなことには現在までのところなっていない。同製品をベースに開発されたSun MicrosystemsのStarOfficeが今回無償配布されることは、それ自体にはそれほど大きな意味があるとは思えない。
しかし、少なくとも考えられるのは、Google Docs and Spreadsheetsが今後何らかの形で機能を向上させてくることは間違いない。どのくらいそれが進むのかにもよるが、場合によってはOfficeを凌駕するような時も来るかもしれない。そうなると、Microsoftの優位は当然ながら二つともなくなる。なにしろ、インターネットに繋がるコンピュータであれば、OSが何であってもアプリケーションはブラウザを通じて動かせ、さらにデータもオンラインに保存しておくことができるようになるためだ。
とはいえ、そこまでに乗り越えなければならない技術的な壁はかなり大きいと見ている。例えば、パワーポイントに代替するようなものが、本当にGoogleのウェブアプリで無償提供されるのか、というようなことを考えると、まだもう少し時間はかかりそうだし、時間がかかっても難しいかもしれない。とはいえ、可能性としてはそういうことも考えられることは無視できない。MS側がOfficeのウェブアプリケーションへの代替が本当に進むような可能性が見えてくる事態になった場合、どのような反撃を試みるかも見物である。

また、その一方で、今朝の日経新聞では、Google社内で急拡大によるマイナスの影響として、社内の人材の流出が進んでしまっているという問題点の指摘もあった。
つまり、技術者として新しいウェブ技術開発がやりたくて入ったのにもかかわらず、組織が大きくなったことで、管理職にならざるを得なくなり、仕事に対するモチベーションが下がって離職してしまう、というケースが増えているそうなのである。そうなると、今回のSun Microsystemsとの提携がうまく進展していくためには内部組織の問題も克服して行かなくてはならないという状況ではある。

いずれにしても、Googleが今後どのように成長を遂げていくのかを見守るポイントが新しくできたニュースであった。